NHK 番組制作と CM 制作の類似事項は同等となり得るか。

ちょっと興味深い対比事例があったので、今日はメモ書きであるが、簡素に記事にしてまとめておきます*1


下記の件、NHK 番組に際して、尾瀬の小道に際して観光客を足止めした事件があった模様。

「NHKの番組撮影中です」尾瀬の木道でスタッフが観光客を足止め SNSで情報拡散
尾瀬国立公園内で、NHKの撮影スタッフと思われる人物が「只今NHKの番組の撮影中です。10分少々お待ちください」などと書かれたボードを持って、ハイキングしている人々を足止めしていたとする画像がツイッターで投稿され、話題

実際の画像を見る限り*2、立ちふさがっていて通行を阻止しており、旅行者にとっては止めるか、戻るかしかないように見えます。


公園を管理している、関東地方環境事務所の主張には下記の内容が出ています。

木道を通行止めにするような態様での撮影については「まったく把握していなかった

https://www.bengo4.com/c_18/n_14581/

記事中にもあるが撮影(ドローン撮影)のために連絡が入ったと把握しているようだ。
公園内の旅行客の通行は阻害せずに、ドローン撮影のみを行うと把握していたという事か。


実際にドローン撮影に関する扱いを確認してみよう。
これは日光国立公園であるが、ドローン使用についての記事がある。

日光国立公園内におけるドローンの使用について
1.事前に土地等の管理者および所有者に確認してください
2.プライベート空間や利用者が集中する場所での使用は控えてください
3.希少な野生生物が生息する場所での使用は控えてください
4.環境省が所管している土地での使用は事前にお問い合わせください
5.自然公園法や国立公園集団施設地区管理規則に抵触する場合があります
6.その他関係法令等を遵守してください

なお、実際の条文は下記を参照。
自然公園法
国立公園集団施設地区管理規則
環境法は詳しくないので、実際にどのように抵触し得るのかは識者の見解を伺いたいところ。


なお、自然環境下で旅行客を足止めして撮影となると、思い出されるのは日清食品のラ王 CM 撮影時に同様の事例があった件か。日清食品は、CM の放映自体を自粛した。


今見られる内容としては下記などか。

日清食品、「ラ王」CM撮影トラブルを謝罪、放映自粛 ネットで特定、批判
新聞投書をきっかけに掲示板サイトで情報収集が始まり、同社CMの撮影だと特定した上で批判が相次いでいた。CMは放映を自粛する。

半時間ほど待たされた。待ち時間内に雲が広がってしまった*3*4、という事なので今回の件と単純比較はできない。しかし、あまり自由の利かない自然環境下で旅行客を制止した、という内容では対比できるのではないか。


尾瀬の天候の変化状況や、周囲の道の状況などが良く分からない。私は海の方が専門だし、あまりコメントはしないが、記事で感じられる以上に、現地の旅行者のストレスは大きかったのではないかと思う。

実際に天候変化で行動を変更しなければならなくなったり、というのは普通にありますが、それが誰かの撮影があったせいで、みたいなのはあんまり気分良くないと思う。自分のせいでも、天候のせいでもない訳だし。
そもそも天候等のせいなら、その状況を予測するために天気図書いてみたりもするだろうし、実際の状況に合わせて、自分の行動を変えたり調整したりもするだろう。そういう行動を取れない、というのは意外にストレスですよ。

そもそも、撮影あるなら、予告ぐらいはした方が良いのではないか。現地でこのようにボードを出す以外に、ちゃんと撮影の告知はあったのだろうか。そこら辺も知りたいところですね。


最期に、槍ヶ岳の事件の際に日清食品が出した謝罪告知をリンクしておきます。
弊社商品のCM撮影に関するお詫び

*1:情報があれば若干の情報更新があり得るかも。

*2:ここがどの場所から私は分からないが、そもそも尾瀬は歩く場所が限定されているはずであり、画像をみる限り戻るしか道が無いように見える。

*3:山の天気は変わりやすい。このため、登山時に好天だった場合などは行動を制止された場合は、それなりに対象者にストレスを生じる事は覚えておいた方が良いかも知れない。私は海だが、他者事情で行動を公共機関(海上保安庁とか)以外に制止されたら、経過時間や見通しを説明しろ、とは言うと思う。

*4:自然環境で行動する場合そういうリスクはあるため、自己管理状態ではない他者からの制止があると、結構イラつきます。海ではあまり無いですけどね。海面上に何かいて一分くらい浮上を待ったことはあったが。エアは十分だったが、後の潜水可能時間が少しだけ短くなった。