リメイク版(2004)、映画「ステップフォード・ワイフ」も観てみた。

ネタバレご注意ください。

思い立って、リメイク版も観てみる事にした。


...観てみたら、そんなに悪くも無かった。

悪趣味なコントローラとか、その前振りなのか、提供される家に付随している自動化システムとか、思わせぶりな描写がある中でのコメディ仕掛けの描写。前作の全然進まない物語よりも、こちらの方が観やすい、という人もいるかも。

ただ、若干軽めの描写になっている関係で、怖さとか主張の部分が弱くなってしまったり、絵空事感が強くなってしまっている、というのはあるかも。
優秀だった奥様方がロボット化されている訳ではなく、脳にチップを埋め込まれているだけ*1という設定も、奥様方が復権するという筋があるための設定だと思うが、怖さを減じられている部分かも。

皮肉な事に、前作とは違い、計画を立案した黒幕は男性ではなく、女性グループを統率している存在の女性で、男性陣も操られていた、というのは女性の中にも、そういった定型的な生活を望む存在が居る、という主張なのかな。それとも娯楽的*2に、そういうシナリオが面白い、と思ったか。

前作と同じように、ロボット風の挨拶を交わすスーパーマーケットのシーンの次に続きがあり、開催されているパーティの裏で、秘密のブロックに侵入したジョアンナ・エバハートの旦那さんが破壊工作を行って、奥様方に埋め込まれているチップを無効化する*3、という物語になっており、正気に戻った奥様方に詰められる、という逆転劇が観られる。ラストは前作の逆転劇で旦那さん方がスーパーマーケットで右往左往してる姿が観られる、という、前作の転写像みたいな映画でした。

前作では奥様方は救われない結末*4でしたし、前作で、メンバーの中で反対する人は出ないのか、という部分に今作で答えてもらった感じなので、今作は今作で悪くないと思いました。

あと、今作ではゲイカップルも出るんですね。そして、片方をロボット化するという流れなので、男女にかかわらず支配対被支配の関係がある、という感じにしたかったのかな*5



*1:ただし、体に刃物を指すシーンこそ無かったが、指を火にあぶられても火傷しない、というシーンがあった。映画の描写から見れば、前作とは違い、奥様方は殺されてセクサロイドに取り換えられているわけではなく、思考をロボット化されているだけ、の筈なのだが、あそこはどういう設定で火傷しないのだろうか。

*2:今作は色々な部分で娯楽的な方向付けがされていると思う。コメディ風なところとか。

*3:あと、奥さんはロボット化されていない

*4:あれはあれで示唆的な部分もあるので、ああいう描写の方が良いという人もいると思います。

*5:実際、女性を開放すれば万事解決、みたいな事にはなっていませんからね。実際、女性で男性を支配する人もいますし、今作でも似た関係は示唆されています。